作業着のポケットにボールペンのシミ、気になりますよね。予防と対処法。

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作業着のポケットにボールペンを指しておくのは、いつでも取り出せて便利ですよね。けれどもいつの間にかボールペンのインクが滲みだしてシミになることってよくありませんか。作業服だから汚れていても仕方がないですが、着たままで食事に出たり、お客様を対応するときにはちょっと気になりますよね。

そんなボールペンのインクのシミの予防と、シミになってしまったときのシミ取り法などを紹介します。

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ボールペンがシミになる原因と予防法

ボールペンの原理はインク管の先端に付けられたボールが自由に回転することにより対象物にインクを付着させるものです。その先端の加工精度はミクロン単位で、精度によって滑らかな書き味が決まってしまいます。ボールと保持部(カシメ部)の精度が高いほど滑らかに適量なインクを出しますし、ボールの遊びの動きも抑えられます。

安い精度の低いボールペンの方がインクが滲み易く、そのためシミになりやすいのです。高級な精度の高いボールペンを使うのも一つのシミ予防策と考えられますが、似たような形状ですとそこまで違いがあるようにも思われません。

簡単で決定的な予防策としては、キャップ付きのボールペンを使うことです。

キャップが付いていればインクが服に滲むこともなく安く精度が低いボールペンでも高級で精度が高いボールペンでも同様に、ほぼ完璧にシミを予防出来ます。しかしキャップの取外しは面倒で、なお且つすぐにキャップを失くしてしまう方も多いと思います。

ノック式ボールペンでもノックを戻しておけば滲みは防げると思いますが、うっかり芯を出したままポケットに仕舞ってしまうことも少なからずあり得ます。もっと簡単な予防策は厚手の封筒をポケットの深さに切ってポケットに仕込んでおくことです。

洗濯の時に取り忘れなければボールペンのシミ対策としては秀逸だと思われます。ただしこの方法は汗と雨に弱いという欠点もあります。ビニール製の封筒であればシミ問題は解決しそうですが、代わりに通気性が悪くなりお肌のトラブル問題が出てくる可能性もあります。

シミになった時の対処法はインクの種類で異なります

ボールペンのインクの種類は大まかに水性インクと油性インク、ゲル状インクがあります。水性インクの成分は色素と水、油性インクは色素と油(溶剤)と樹脂、ゲル状インクは色素とゲル化剤と水で出来ています。それぞれの特質によりシミの対処法が異なります。

シミの原因は色素の繊維への沈着なのでそれぞれのインクの特徴に合わせて繊維から色素を離脱させることが必要になります。また3種類のインク共、時間がたってしまったものは色素が繊維に定着して落ちにくくなります。

繊維によって特質が異なり、ウールや絹などの動物性繊維はアルカリに弱く酸性に強く、植物性の綿や麻、化学繊維はアルカリ性に強く酸性に弱い特質があります。作業服に使われる繊維は植物性の綿か化学繊維が殆どなのでその対処法を紹介します。

水性インクのボールペンのシミの取り方

水性インクは乾燥してしまうとシミが落ちにくくなります。中性洗剤か弱アルカリ洗剤を溶かした40℃から50℃のお湯で漬け置きします。色素の沈着した場所をよく揉んで繊維に適合した漂白剤を使い、また漬け置きします。

漬け置き後、水で濯ぎます。ただしこのやり方だとシミ抜き効果が低いので応急処置が必要になります。シミの対処は早ければ早いほど繊維に染み込む色素が少ないので早期の処置が効果的です。

応急措置の方法は汚れても良い布かキッチンペーパーを表布の下に敷き、弱アルカリ性か中性の洗剤を裏地からシミ部分にかけて歯ブラシなどでたたきます。この場合歯ブラシは使い捨てで叩くだけに抑え、布地を擦っていけません。

擦ると色素が繊維の中に定着してしまうからです。繊維から色素を浮かせて、あて布やキッチンペーパーに色素を移動させます。あて布は色柄ものやプリント柄等は色移りする場合があるので無地で無染めのものを使うのが無難です。

適当な布もキッチンペーパーもない場合はティッシュペーパーでも代用できます。

作業台に色素が付着する場合もありますのでビニール等を下に敷いて置く方が良いと思います。水性インクは水溶性なので若干の水を湿らせて叩くと色素が移動しやすくなります。そのあと上記の洗濯を行います。

油性インクのシミの取り方

ドライクリーニングを指定して早めにクリーニングに出すことが油性インクのシミ取りの基本です。ベンジン、シンナー等で拭き取るとシミが落ちにくくなる場合があります。

しかし作業服をドライクリーニングに出すのもちょっとと思われる方は自分でシミ抜きができます。油性インクはアルコールに溶けやすいので、水性インクで使用した弱アルカリ洗剤の代わりに消毒用のアルコールジェルなどをしみこませてから歯ブラシなどで叩くとあて布やキッチンペーパーに色素移動がしやすいです。

少しづつジェルを布の裏側から垂らし歯ブラシ等で叩いて色素をあて布に移動させます。作業台に色素を移さないためにビニールを敷くか、浸透性のないタイルかステンレスキッチンの上で作業することが必要です。アルコールジェルの他にはプロピレングリコール類が含まれた除光液も効果があります。

色素を速やかに移動させる処置は水性インクの場合と同じですが、水性インクよりも色素が多く使われているため濯ぎをしっかり行います。そうしないとシミが広がってしまう場合があります。前記処置を繰返して行いシミが抜けるまで繰り返します。

応急処置後はなるべく早く行い、弱アルカリ性か中性洗剤で洗濯するのも水性インクと同様です。

ゲル状インクのシミの取り方

ゲル状インクは水性インクと同様の方法でシミ抜き効果がありますが、油性インクと同様に水性インクよりも色素量が多く叩いて浮かせた色素が広範囲に広がる恐れがあります。対処法としては色素を浮かせたら直ぐに濯ぎ、を繰返すことです。

三種類のインク共、スチームアイロンなどで熱を与えたり、お湯で洗った方が繊維が柔らかくなり、色素を浮かせる効果が高くなることは他の汚れと同様です。

シミ取り前のボールペンのインクの見分け方

ボールペンのシミ取りにはインクによって効果的な方法が分かれます。そのためにはボールペンが油性か水性・ゲル状か見分けられたほうがスムーズにシミ取り作業が行えます。簡単な見分け方はボールペンでプラスチック等の浸透しにくいものに試し書きをしてみることです。

油性インクの場合は粘り気が強く浸透しにくいものにも書くことができます。水性やゲル状インクは粘り気がすくない為、書けないか書けても擦ったらすぐに落ちます。どちらのインクも乾いたら色素だけが残ることになりますのでプラスチック等からは簡単に消すことができます。